30日の続き(笑)。
雨の南京町からHAT神戸へ。阪神岩屋駅から美術館までは少し歩く。「王子にあったころはよく行ったけど、今、遠くなったでしょう、足も遠のいちゃった」という人がいたけれど、たしかに。雨で、しかも風が強いとなると・・そこに見えてる美術館がやけに遠い・・・・。
今回公開される75点は「16~18世紀のヨーロッパ各地で描かれた静物画、静物が重要な役割を果している風俗画や肖像画」。たとえば日本初公開のベラスケスの〈薔薇色の衣装のマルガリータ王女〉は婚約相手に贈られた肖像画だが、王女が軽く手を置いているテーブルに置かれている静物に注目したい。花瓶にはアイリス、薔薇、マーガレットなどの花が飾られているが、これらには実はそれぞれ深い意味がある。それが静物画の秘密であり、それらを読み解こうというのがこの展覧会のテーマなわけ。
アイリスは純潔と無垢を、薔薇は婚家ハプスブルグ家のモチーフでもあり愛の象徴でもある。マーガレットはもちろんマルガリータにちなむ。
籠に盛られた果物や花の絵、肖像画や風景画が、目の前のものをただ描いただけのものではなく、画家がその中に工夫を凝らして複雑なメッセージを隠している、となると絵の見方も変わり、ひとつの絵に複数の解釈があるとなると、その解釈に至る思想の違いも楽しめる。
15年ほど前にNHK人間大学で美術史家の若桑みどり氏の「絵画を読む」を観て以来、興味を持った図像解釈という分野、それをテーマにした展覧会ということで、堪能した。満足(^^)