MY GARDENING LIFE 一行日記+

住宅街の小さな庭で野生の生き物と親しむホームビオトープを手作りしています。

淡路島便り~井戸の側に放置された水瓶からあれこれ昔話を聞く。

イメージ 1

畑の端っこに井戸があることは前から知っていた。しかし笹や木が井戸を隠すように茂っていて、昼間でも近づき難い雰囲気だった。なにせ古井戸だから、何か出てきそうで怖かった。(笑)。

畑に進入した笹を刈って根っこを掘り出したりして井戸のすぐ側まで整地したものの、井戸周りだけは勝手に触れない事情があり、手付かずであったが、井戸の持ち主さんがある日、草刈機で笹を刈り、井戸を囲むように立っていたウバメガシ数本をばっさり切り倒したのだ。おかげで井戸周りが明るくなり、目立たなかった水仙や梅の木が人目につくようになった。

そして、もっとも目立つようになったのは、大きな3つの瓶だ。こんなところに瓶があったなんて・・誰も知らなかったという・・。

どうして井戸の側にこんな大きな瓶が?何に使っていたの?と聞いたら、母がたぶん水瓶に使ったんだろうという。家の中じゃなくて、船に水を持ち込むのに使ったのだそうだ。船といっても、漁船ではなくて、物資輸送の船だという。「何を運んだの?農作物?」という問いに返ってきた答えは意外なもの。

何を運んだのかというと「縄」だそうだ。農家の人が藁で縄を綯う、それが港に集まる、港にはそれをより合わせて太くする機械があったという。その縄を神戸や大阪へ船で出荷していたのだ。そういう船に乗り込む人の飲料水を入れるのにこの瓶が使われたんだろうという話だ。

それから70年ほど前の漁業の様子や港の様子を延々聞かされる羽目に(笑)。廻船業で賑わった頃があったなんて・・・今の静かな漁港からは想像でもできないだけに、とても面白い話だったけれど・・。年寄りの話はあっちへ飛びこっちへ飛びで・・チト長い(^^;)